住民から集めた修繕積立金など約20億円を社債で運用している川崎市のタワーマンション「パークシティ武蔵小杉ミッドスカイタワー」(794戸)について記事化したところ、多くの読者から反響が寄せられました。合意形成の経緯、目指す管理、ほかのマンションへのアドバイス―。管理組合法人の代表理事副理事長で住民の志村仁さん(63)に聞きました。
- 武蔵小杉のタワマン 修繕積立金20億円 プロの住民が選んだ投資先
――日経平均が8月5日に4451円余り下げて1987年の「ブラックマンデー」を超え、株安が急落しました。運用している社債に影響はありましたか
株安はまったく関係ありません。現在、修繕積立金などを原資に、通信、金融、保険など国内の30社超の企業の社債で運用しています。利回りは年0.4~1.2%程度で、償還までの残存期間は5~10年ほど。社債は、償還まで持ちきれば、デフォルト(債務不履行)しない限り、元本割れすることはありません。
買ったら最後まで持ちきる「バイ・アンド・ホールド」が原則
管理組合法人の運用方針は、買ったら最後まで持ちきる「バイ・アンド・ホールド」を原則としています。債券も売買可能なので、厳密には、日々価格が変わっている可能性はあります。証券会社に聞けばどれくらいで売れるか分かりますが、償還まで売る必要はなく、意味がないので、調べていません。
――社債での運用は、今回のような株安を想定した運用方針なのですか
株安は、リスクとして想定はしていました。企業と異なり、マンションの管理では、収入を増やす方法は限られ、一定期間ごとに必ず支出があります。結果オーライではなく、100%ではないものの元金が確保できる運用先として、社債を選びました。
購入しているのは、格付けが「シングルA」と呼ばれる一定の格付け以上のものに限り、下がれば例外的に売ることにしています。絶対安全とは言えませんが、発行するのは大企業で、なおかつ対象企業も分散しています。企業側も、できればデフォルトは起こしたくないはずなので、危ない場合は、まずは早期償還して先に返そうとすることも考えるはずです。
――社債はどうやって買っているのですか
管理組合法人名義で、国内の…